• 2026年5月25日

子どものてんかんとは?症状・原因・発作時の対応を解説

子どもは、毎日の生活の中で少しずつ成長していきます。よく眠る日もあれば、機嫌が悪い日もあり、ぼんやりして見えることもあります。そのため、保護者にとって、「いつもと少し違う様子」が病気によるものなのか、一時的な体調や疲れによるものなのかを見分けるのは簡単ではありません。

なかでも、突然体がこわばる、呼びかけても反応しない、同じ動きを繰り返すといった様子があると、とても心配になります。てんかんは、子どもにもみられる脳の病気の1つで、発作の形はさまざまです。全身のけいれんだけでなく、短時間ぼんやりする、体の一部だけが動く、急に動作が止まるなど、気づきにくい形で現れることもあります。小児のてんかんについて正しい知識を身につけ、落ち着いて対応できるようにすることが大切です。

てんかんとは?

てんかんは、脳の神経細胞が一時的に強く興奮し、発作を繰り返す病気です。発作は、脳のどの部分で異常な電気活動が起こるかによって症状が変わります。全身がガクガクする発作だけでなく、意識が一瞬途切れる、口をもぐもぐ動かす、手足の一部だけがぴくつくなど、さまざまな症状があります。

子どもの場合、年齢によって発作の特徴が変わることがあります。乳児期、幼児期、学童期では脳の発達段階が異なるため、同じてんかんでも症状や経過はひとり一人違います。また、発作が1回起きただけで、すぐてんかんと診断されるわけではありません。発作を繰り返しているか、脳波に特徴があるか、発達や画像検査で気になる点があるかなどを合わせて判断します。

子どもにみられる主な症状

子どものてんかん発作には、目立つものと気づかれにくいものがあります。全身のけいれんでは、突然倒れる、手足を突っ張る、体がガクガクする、白目をむく、呼びかけに反応しないといった様子がみられます。発作後に眠くなったり、ぼんやりしたりすることもあります。

一方で、数秒だけ動作が止まる、急に一点を見つめる、返事をしない、同じ動きを繰り返すといった発作は、集中していない、寝ぼけている、癖が出ているように見えることがあります。同じような症状が繰り返される場合は、発作の始まり方、続いた時間、目や手足の動き、発作後の様子を記録しておくと、受診時に役に立ちます。

てんかんの原因

てんかんの原因は1つではありません。脳の形成異常、脳腫瘍、脳血管の異常、頭部外傷、髄膜炎や脳炎の後遺症、出生前後の低酸素、早産に伴う脳障害などが原因になることがあります。こうした脳の構造的な変化により、神経細胞が過剰に興奮しやすくなり、発作が起こります。

一方で、検査をしても明らかな脳の損傷が見つからないてんかんもあります。その場合は、脳の発達過程、体質、遺伝的な要因が関わることがあります。ただし、遺伝的要因があるからといって、必ず親から子へ受け継がれる病気という意味ではありません。原因を明らかにすることは、治療薬の選択や今後の見通しを考えるうえで重要です。

診断で行われる検査

診断では、まず発作の様子を詳しく確認します。いつ起きたか、発熱や睡眠不足があったか、意識があったか、体の左右差があったか、発作後に眠気や頭痛があったかなどを確認します。乳幼児では、発達の経過、睡眠、授乳、普段の反応も大切な情報になります。

検査では脳波検査がよく行われます。頭に電極をつけて脳の電気活動を記録し、てんかんに特徴的な波がないかを調べます。必要に応じてMRIやCTなどの画像検査を行い、脳の構造に異常がないかを確認します。発作の動画があると、医師が発作の種類を判断しやすくなります。

治療の基本

てんかん治療の中心は、発作の種類に合った抗てんかん発作薬を継続して服用することです。薬は発作が起きた時だけ飲むものではなく、発作を起こしにくくするために毎日続けるものです。子どもでは、年齢、体重、発作の種類、脳波の結果、生活への影響、副作用を確認しながら薬の種類や量を調整します。

薬を自己判断でやめると、発作が再発したり重くなったりするおそれがあります。発作がしばらく起きていない場合でも、薬をやめるかどうかは医師と相談して決めます。薬で発作が十分に抑えられない場合は、専門の医療機関で薬の見直しや、外科治療、食事療法などを検討することがあります。

発作が起きたときの家庭での対応

発作が起きたときは、まず落ち着いて安全を確保します。周りから硬いものや危険なものを離し、頭をぶつけないようにします。衣服の首元がきつければゆるめ、吐きそうな場合は体を横向きにします。発作中に体を強く押さえつけたり、口の中に指や物を入れたりしてはいけません。

発作が始まった時刻を確認し、どのくらい続いたかを記録します。5分以上続く、発作を繰り返して意識が戻らない、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、けがをした、初めての発作である場合は救急受診が必要です。発作後は眠気や混乱が出ることがあるため、無理に起こさず、呼吸と顔色を確認しながら休ませます。

園・学校生活と受診の目安

てんかんのある子どもでも、発作が安定していれば園や学校で通常の生活を送れることがあります。ただし、発作の出やすい時間帯、発作時の対応、服薬の有無、体育や水泳での注意点は、保護者、医師、園や学校で共有しておくことが大切です。睡眠不足や薬の飲み忘れが発作のきっかけになる子どももいるため、生活リズムを整えることが大切です。

短時間でも呼びかけに反応しない状態を繰り返す、同じ動作が何度も出る、睡眠中にも同じような発作がある、発作後に強い眠気や頭痛が残る場合は、小児科や小児神経を専門とする医療機関に相談します。てんかんは、発作の種類に合った治療と生活の工夫を行うことで、子どもの日常生活を支えやすくなります。気になる様子があるときは、迷わず記録を残し、医師に相談することが大切です。

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